2025年11月15日(土)、東洋大学朝霞キャンパスにて、東洋大学重点研究推進プログラム「未来を拓くバイオミメティクス シンポジウム2025 ~バイオミメティクス技術の社会実装~」が開催されました。
今回は初の朝霞キャンパスでの開催となり、東洋大学の教職員・学生、そして一般の方々にご参加いただき、対面とオンデマンド配信形式を通じて、生物の持つ卓越した機能や構造を工学・医療へ応用する「バイオミメティクス」の最新の研究動向と社会実装の可能性について、会場全体が熱気に包まれました。
本研究プログラムは、第1期目の成果を継承し、2024年4月より第2期目がスタートしています。「未来を哲学する東洋大学」「命と食が輝くスマートキャンパス」という本学のコンセプトを支える主力ブランドとして、バイオミメティクス技術の確立と応用を目指しています。
今年度のシンポジウムは、金子光一教学担当常務理事のあいさつで開会しました。

金子光一教学担当常務理事
特別講演には、京セラ株式会社 研究開発本部 メディカル開発センターセンター長 京本 政之氏にご登壇いただき、「バイオミメティクス技術の社会実装 ~人工関節の開発について~」と題してご講演いただきました。生物の仕組みをヒントにした技術が、どのように人工関節という形で実際に医療現場に導入され、人々の生活の質(QOL)向上に貢献しているかという、社会実装の最前線について具体的な事例を交えてお話しいただきました。

京本 政之氏
聴講者からは、基礎研究から応用、そして製品化に至るまでの道筋に、「新技術の実現にワクワクした!」といった期待の声が寄せられました。
続く研究成果報告セッションでは、教育、医療、工学など、分野を超えた3件の最新研究が報告されました。
- 文学部教育学科 谷口 明子 教授、理工学研究科 建築・都市デザイン専攻博士後期課程2年 吉沼 大季 氏
- 生命科学部生体医工学科 北村 秀光 教授、大澤 重仁 准教授、秋元 俊成 准教授
朝霞研究機器共同利用センター・生体医工学研究センター(兼)技術研究員 大竹 淳矢 氏 - 理工学部機械工学科 窪田 佳寛 准教授

会場の様子
参加者アンケートには、「新しい理解が広がる内容で大変有意義」「思考法や研究の進め方など学べることがたくさんあった」との感想があり、本学の研究が多角的に展開していることが伝わりました。
対面参加では講演会後、会場を移動し、朝霞キャンパス2号館8階にてポスター発表が行われました。全23件のポスターが展示され、研究者と参加者による活発な質疑応答が繰り広げられ、会場は活発な意見交換が行われました。
アンケートでは、「質問に真摯に受け答えをしてくださって、その研究の面白さや熱意が伝わって刺激をもらえました」
「他分野のアプローチを知ることで、自身の研究にも取り入れられる新しい視点を得ることができた」
「この発想は自身の専門分野も真似できるなという気づきが多く、あっという間の1時間だった」
といった、深い学びと「新しい気づき」を得たという声が多数寄せられました。
今回のシンポジウムは、参加者がバイオミメティクス技術の無限の可能性を感じ、分野を越えた知見を獲得する貴重な機会となりました。ご参加いただきました皆様に心より感謝申し上げます。

ゲストを囲んで
関連サイト
・生体医工学研究センター
https://www.toyo.ac.jp/research/labo_center/bme/
・重点研究「未来を拓くバイオミメティクス」
https://www.toyo.ac.jp/contents/research/iri/project-18.html